彼は生まれてからずっとこの街に住んでいる。1
2013/11/30 22:24
 あの子は体が弱かった。数日の旅行のために二週間前から身体を休め、燥げば寝込む。体の弱い子供らしく文学少女だった。小学校の図書室では物足りず、私と隣町まで図書館へ行くことを楽しんでいたと思う。
 あの子は主人公性の比較をする以前の段階で死んでしまった。だから、あの子が主役の物語は存在し得ない。あの子は誰とも関係を築かずに早くに死んだと言うこと。唯一あの子と関わった人間が私だったから、こうして思い出されて書かれる文章に登場する。あの子の周りにとって、またあの子にとって、あの子はどんなにも劇的には無かった。物語は悲劇なり喜劇なりでないと成り立たない。私にとってもそうで、あの子は私に殆んど何も影響を与えていなかった、所詮何年も忘れている存在でしかなかった。
 命の所在を考えた場合に、全て命は須くに等しく尊いと歌いたくもあるけれど。けれどだ。特別ではない人間などは数多いる事実。特別ではない役の担い手がいないと特別性を持った人もまたいなくなる。可能性なんて云うものは人間ならば誰もが持っていて持っているものだと信じたい心はあっても、全員がそれを発揮すると後述など出来ない情報が世界に溢れよう。
 ここで、もしあの子が今も生きていたら、として、何でもない彼に何でもし得る可能性を充てる。

 私は私の頭のなかであの子を生かせて、私の架空の友人とした。
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代わりに見ておいて。
2013/06/16 23:36
昼間から登っていた半月は私の席からしか見えない位置にあった。右に笑いながらハンドルを握る人の代わりに、私は飽きるまで月を見上げていた。黄色ちゃんは私達をどこまでも連れて行ってくれる舟。少し開けた窓から煙が流れていく。
わかりあえるまで語り合えるだろうか、すべてを。
歩けなくなることも、目が見えなくなることも、恐くはないよすべては夢幻だけど。
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面白い方に100点と言った彼との会話。
2012/11/05 23:35
子どもの頃のこと。思い出せないことも、忘れられないこともある。
思い返せば私は今まで先のことを考えて生きたことはなかった。
それでも今生きている私は、過去の私という現象を継続している。何も維持できていないかもしれないけれど。
サイコーだった時だって確かにあったのだ。

別の系として更新されているのが人間だと、コミュニケーションで(色色な程度で)同期を取ると、その上で定義づけされなおされると、そんな話をした。
10年は人が変わるには十分な時間だって言うのはわかっていたから、改めての同期は怖かった。コストもリスクもあったから、怖かった。
産むが易し。確信の確認だけで済んだ。
きっと私たちは、構成言語的な意味合いで、似ている。

しあわせがなにかはまだわからないけれど、しあわせになってくれたらわたしはしあわせで、それが一つの定義。

おもしろいほうに100点。
面白いという意味の定義はNull
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病気の国。
2012/08/26 21:28
「頭だけじゃなくて鼻まで弱いのかい。それとも頭がおかしいことの合併症で嗅覚まで悪くなったって話かい。というかあれだね、馬鹿なんだ。あんた馬鹿だからあんたの周りには病人なんて一人もいないんだろう。誰かが病気でもあんたは気づかないから。平和だね。平和でいいね。あんたには平和しかないんだ。喜ばしいじゃないか。けどね、馬鹿なあんたは何かを好きになっちゃいけないよ。傷かどうかの見分け方も分からないんだから。傷んでいてもそればっかり口にするだろう。あんた猿だね、っと猿に申し訳ない事言ったね。」
そう言われた気がした。一言頂いただけの相手に対して、私は完膚なきまでに打ちのめされた。
もう***なんてしない。
***ダメ、ゼッタイ。
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外では時々手を繋ぐだけ。
2012/08/08 21:19
いつものように弄花、なにか囀ってる。
一緒にテレビを見るって言うことは私達にとって、私がテレビを見て、彼が私の手のひらを触る時間。
以前、楽しいかと聴いたら、愛してるなんて言われて私が戸惑った。
家にいるときの当たり前の行為。

幸いにか私の手はまだ私の身体に繋がっている。
外に行く時に不便だからね、と言われて、本当にあげてしまいたいと思った。
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枕元に写真。
2012/08/08 20:51
好きになります。
好きな人は綺麗で、私は嬉しくなります。
恥ずかしがり屋の私は、許可を求めて、ずーっとすーっと好きな人を見つめます。
時間は早く流れます。血が速く流れます。
柔らかい所と固い所を探して、指は先から先まで。
境目を確かめて、味を確かめて。
よく聞いてみて、私は嬉しくて涙がでるかもしれません。
ものをすぐに忘れる私は、頭の一番真ん中に声と匂いを忘れないようにしまっておきます。

夢からさめて、隠し事が下手な私は彼に言います。
全部を口にします。
そっと様子を伺って、彼が笑っていて、私は笑います。
そこで私は彼が好きになります。
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ヨウコ=H(2)=金亀3の手記。1。
2012/07/13 23:54
異常を認め、変化が始まった日付を初日と定義付けます。

グローバルリンクの系が一部使用不能になって240時間が経過しました。
現時点で双方向性同期型のダイレクト接続出来る系は平常時よりも99パーセント減少して、12個になりました。

私の管理する家には人が33名います。初日よりの変化は有りません。
33名は8人で一つの班を作っており、各班の班長と家長の5名が鍵もちとなっています。

私の権限が拡大されました。

情報開示規則と現在の異常において鍵もち全員から私に対して判断を求められました。(1)規則に拠り情報開示制限を解除して私の家の系を全体より切断する、(2)現状を維持し情報を規制したまま運営する、(3)(1)を実行しつつ家族に提供する情報を私が作成する。以上の三通りから結論選ぶ検討をしています。

状況を確認します。
これから初日よりの割合で機能が低下・停止していった場合には先100日前後で最悪の状態(家族の全滅)が予見されます。

地上は汚染されています。
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「依田洋子と結城智恵の夏休み」
2012/05/07 20:31
 今となっては夏休みや学生なんて言葉はノスタルジーを感じさせるものでしかない。学生時代の夏休み、恋愛で頭を一杯にできた最後の時期。たった二ヶ月の間で私たちの関係は変わった。思い出となってみれば、甘酸っぱい経験だったと言えるだろう。感情だけで行動できた、あの若さは私にはもうない。あの時私たちは確かに情熱だけで生きていた。きっと他の人だってそんな経験の果てに大人になっていくのだろう。青年期・大学生・モラトリアム。二回生の夏休み、最後のバケーション。誰にも渡すものかと、そんな感情は、思えば恥ずかしいことだった。私には、あの頃の私には、なんの力も、何もなかったのだから。十代最後の夏に、私たちの感受性は最高に高まっていて、顔どころではなく全身を真っ赤にしながら只只と未来の不安を忘れるためにひたすらに言葉と血を交換していた。
 私の名前は依田洋子。私と結城智恵の話を少しここに書こう。
 びっこ引く私はいつも目立っていた。よく音を立ててしまうし、遅い歩みは人の邪魔になるから。姿勢の悪い私は背が低いように見られた。小さくなりたかったので其れは好都合だった。165cm 短い黒い髪。半袖は着た事が無かった。図書館で本を読みながら背を正していれば別の意思で人の視線を貰うのも知っていた。整った顔をしているのを自覚していた。席を立って、私の動きを見て引く人の心もわかった。
 手を貸してくれる人がいても上手に歩けなかった。人に手をひかれていると、余計に足が痛んだ。感謝の笑顔は私にとって痛みへの反射だった。痛みなく歩ける相手は四人ほどの手だった。その内の三人は私の家族だった。一人、手を貸してくれたある人。歩く相性があった。手の相性だったかもしれない。驚くほどに楽に歩けるようになる手。それが智恵だった。
智恵は同じ学科の三回生で、同じ二年生の講義を縁に知り合った。同じ班になって智恵の名前を覚えた。自主性のない生徒の多い中でのグループワークで彼女は年長の役割を果たしていた。彼女は私の興味を引いた。だから私は智恵を見かける度に声を掛けるようになった。構内のベンチや図書館で話をする仲になった。それから智恵と時間を共にできるようにと、私の生活は小さなところから見直されたりした。
二人きりの時間が多くなった。互いに一人暮らしをしていたので夕食を一緒にしてそれから語り合った。散らかった、何も無い私の部屋ではより合って笑った。片付いた物の多い智恵の部屋では智恵の好きなものや趣味の道具で私は手遊んだ。私は智恵を好きになっていった。尊敬していた。私にはない、自分の意見というものを持っていた。私には作れないものを生み出す智恵の手は綺麗だった。智恵の全ては純粋で、綺麗だった。
そして夏休みがきた。与えられた自由に、私が求めるものは智恵との距離を縮めることだけだった。ずっと私たちは私たちの部屋にいた、そもそも外出をしない私だったけれど。智恵は出かける日もあったけれどそんな日は彼女の部屋で過ごした。
お盆にはいい加減な帰省をした。家族を大切にするように、智恵に言われたから。
会えない時間がなんとやら、たった数日ぶりの彼女との再会。堰が切れた。
私には智恵が必要だった。智恵だけが必要だった。智恵だけで十分だった。智恵という個人を私だけのものにしたかった。智恵の声を独り占めしたかった。智恵の手以外に触れたくなかった。智恵に誰にも触れさせたくなかった。智恵の言葉が欲しかった。智恵の人格を理解したかった。智恵の全てを求めていた。智恵に私と同じような気持ちを持って欲しかった。私の気持ちは一晩口にされた。異常な感情なんかじゃないかと不安だった。嫌われたらと怖かった。私は殆んど泣いていた。
手を取ってくれた。一緒の布団で手をつないで少し眠った。夢ではなかったと思うけど、本当のところは定かではないけれど、私は眠っている智恵の口唇を触った。
いつものように私が先に目が覚めた、もう時計はお昼前。いつもの習慣で朝食を作って、智恵を起こしにいく。眠っている彼女を見つめる。ドキドキした。見ている間に、智恵の目が開いた。智恵が微笑む。ご飯を食べた後、私たちの関係はどうなるのだろう。
スーツを着た智恵を見送ってから、私は一人近所の大きな公園に来た。いつもの木陰のベンチ。夕方まで景色を眺めていた。頭の中にはなにもなかった。「夜まで待って」と、智恵にはそう言われた。夕方になって私は自室に戻る。何も手に付かないままに時間が過ぎるのを待っていた。
智恵が部屋に来て、答えを待つ。智恵の意思を待つ。智恵は口にする。私たちの理想の未来を。私を連れていきたい場所、私に作ってあげたいもの、私と一緒にしたいこと。智恵の言葉の中に、智恵の中に、私がいた。やっぱり泣いてしまった私を智恵は抱きしめてくれた。こんなに他人に近づいたのは初めてで、暖かくて仕合せで、私は涙を止められなかった。ずっと抱き合ったまま、智恵にも私の涙が移る。互いに雫をぬぐいあう私たち。生まれて初めての体液の交換。心軽くなって、満たされた。
一週間位の間、私たちは家から一歩も外にでなかった。恥ずかしい秘密の時間を織っていた。八月が終わる。
堕落を自覚して私たちはルールを作る。昼間は外に出ること。公園・プラネタリウム・アクアリウム・美術館・展望台・喫茶店・趣味のお店、二人ならどこにでもいけた。一年前に買い与えられた私の黄色いドイツ車はこの夏でその走行距離を何倍にもした。智恵は私の愛車を黄色ちゃんと呼んだ。施設で借りる車椅子の名前はいつもマッハ号だった。彼女にはネーミングセンスだけはなかった。
夏休みの終。私たちの決めた、いや知恵の決めたルール。一つ目は昼間は外へ出かけること。二つ目は夏の終わりに私たちの関係を終えること。私と智恵はそれぞれ新学期を迎えた。
別れた後は気まずくて、手を取ってもらうなんて出来なかった。一時だったけれど番いの真似をしてわかった事が沢山あった。わかった事から考えなきゃいけない事が沢山あった。弱い個体が生きている矛盾に気づいた。涙が武器、という言葉の意味に気づいて、反吐が出た。身体を重ねる事に逃げる気持ちを理解して、嫌な視野が広がった気がした。もっと、美人に生まれればよかった。生まれ変わったら智恵になりたい。
三回生の智恵は後期が終わると自主退学。その理由もその時の私には知らされなかった。それから今までの数年、電話でだけ、私たちは互いの生存報告だけ。
懐かし学生時代から、つまり私が社会に出てから数年が経った。最近になって私はやっと知恵のことを、知恵の体のことを知る。
大学当時の知恵の目の容態は安定していた。安定して症状は進行していたので、何時頃に視野がなくなるかも見当が付いていた。刺激の少ない生活を送れば大学三年生の終わりまでは生活に問題はないと言われていたらしい。その最後の時間を私にくれた。今は一人で何もしない生活を送っている。
「人という字は一人で立って歩めることを指すんだよ。支えるとか、支え合うとか、そう言うわけじゃないんだよ。そういうふうでは成り立たないんだよ。私たちは一人で人なんだから。」夏の最後に知恵は口にしてた。
 私は足が不自由で、知恵は目が確かじゃなかった。だから、二人が番になるなんてことは無理だった。

終。
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人人。
2011/10/10 21:48
「人という字は一人で立って歩めることを指すんだよ。
 支えるとか、支え合うとか、そう言うわけじゃないんだよ。
 そういうふうでは成り立たないんだよ。
 私たちは一人で人なんだから。」

Yは足が不自由で、Cは目が確かじゃなかった。
だから、二人が番になるなんてことは無理だった。
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頚椎、神経を損傷したら。
2011/06/07 21:18
どうしてもっと早く、と叱られた。
私は日常から眩暈持ちで、いつもの眩暈と区別がつかなかったから。
手のしびれは足の痛みからだと考えていた。
事故の瞬間の記憶は曖昧だけれど、頭を打ったようには感じていなかった。
なにより昨日は右足の傷の痛みだけで他の部位の状態は自分でもわからなかった。
月曜日の講義は大好きだったし、受けたかった。

どうも後遺症が残るらしい。
子どもを抱き上げられないなんて、保育士として失格だろう。
クラッチが踏めないなんて、黄色ちゃんにはもう乗れないだろう。
この記事だって、片手では書くのが難儀だ。
私の左半身は、もう、私の制御を離れてしまった。
完全に離れてはいないけれど、鋭い痛みも熱も、感じ取れない。

学校にいる意味も無くなってしまって、本当にこれから先どうするかもわからくなってしまった。
福祉の職業に就くのは無理そう。
歩かずに、右手だけで出来る頭脳労働なんてないかな。
今は考えることは保留にしておきなさい、って言われたけれど。
家族には本当に申し訳ないと、今はそればかり。

人の人生って、一瞬で変わる物だった。
何が起こるかなんてわからない。
満足な体は、だれにも保証できない。


といった嘘のエントリー。
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引き算。
2008/05/19 00:00
びっこ引く私はいつも目立っていた。よく音を立ててしまうし、遅い歩みは人の邪魔になるから。
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冷やし。
2008/04/06 04:24
汗に湿ってる。寝返りをうって熱を逃がしたい。普段は無意識に、遠慮もなく出来ている事。
うつらうつら、隣で気遣いを感じる。さっき指先が額をなぞっていったけれど、そんなに汗をかいていただろうか。眠くてわからない。
ベッドに二人で眠ること。まだ慣れない。
思わず、自分の呼吸と隣の呼吸を合わせてしまうから。
夢かもしれない。今、感じていることは。
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こがし。
2008/04/05 23:45
たぶん、この音はこどう。たぶん、この振動は鼓動。
多分、私の心臓。恥ずかしいなぁ、もう…。
反射…パブロブの犬だ。

落ち着こうと頑張っていたのに、ついに笑われる。
あなたが期待させたのでしょう? あなたがそうさせたのでしょう?
夢を観させるのがあなたの特技。
慣れるなんて不可能! 蹴れど…好き。
あなたは一度眠ってしまうでしょう、いつものように。明日は日曜日だから。
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道草話。
2008/01/22 21:09
「マツリチャカってどう書くんだっけ。」
「聞いたことない単語だけど、なに?それ。」
「あ。マツリカチャってどう書くんだっけ。」
「茉莉花茶。」
「じゃあさ、草冠に陰って書いて何て読むんだっけ。」
「イン。日陰って意味。」
「草冠に里では?」
「それはスミレって意味のキンの書き間違いだね。」
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味噌話。
2007/12/05 06:58
「焼けるんだよ、だから氷水にすぐにつけるの」
「船って暑いの?」
「止まると焼けるんだよ、水冷が無くなるから自分の熱で」
「わかった。自転車降りてから汗かくのと同じだ!」
「そういえば自転車見たよ。ドライバー合わなかったからハンドルのとこ開けれなかった」
「んじゃ自転車やさんかドライバー買うかどっちがいい?」
「ドライバー買ってきて」
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焦点。
2007/11/09 19:53
初めて意識したのは横顔を見たとき。
正確には、遠くをまっすぐ見つめるあの人の目を見た時。
驚いたの僕は理由を探した。どうしてあの横顔に驚いたのだろう。どこが違う。どこが不自然。
彼女の目は特別に大きいわけでも、二重が綺麗なわけでも、睫毛が豊かなわけでもなかった。ただただ、見つめる視線に驚いたとしか言い様がなかった。
じっと見ていたから、目が合う。
目に焦点が合って、周りが薄らぐほどに。一瞬とらわれて、すぐに軽く会釈を交わして視線を流す。

それから彼女を見てしまうようになった。
相手に悟られずに見る、というのは難しい。特に相手の瞳を見ようとすればすぐにでも視線がばれる。

気付いたのは瞳の大きさ。黒目が少し小さいこと。
正面から見つめると 上目遣いのような視線を相手に感じさせる目だった。
調べると そういった目の名前を見つけた。言葉の概念。
特別な形質。個性レベルでしかないけれど。
「人相学では最悪の相として『凶相』に分類されている。
 人相の悪さや、鋭い きつい印象を与えることがある。
 男女問わず独特の色気を醸す要素として、好意的に評されることもある。」
彼女のイメージと重ねてみる。言葉に出来なかった感覚、印象の言語化が辞典によってなされる。最悪の相・・・最悪という言葉が口語ではないんだと思って少し可笑しくなる。

それから、彼女のことを考えた。あの人はこの言葉を知ってるのだろうかと。
それ以前、自分の目のことに気付いているのだろうか。
そして、周りの人たちは。
・・・。
きっと知っているだろう。自分のこと、当然。
どう思ってるんだろう。気にするほどのものではないのかもしれない。
どう思ってるんだろう。

しばらくして、僕が彼女の目ではなく彼女を特別視しているだけだと気付いた。

それから、人に会うと目を見てしまうクセがついてしまった。
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9月26日 花。
2007/09/26 23:56
ただなんとなく、どんな言葉が返ってくるのかと思って。
「月が綺麗だね」そう口にした。

その人は、
「きれいだね。」と言って空を見ていた。
私が言う前から、ずっと月を見ていたのは知っていたけれど。

今日は 中秋の名月の次の夜だったり、
今日は 朧月だったり。
今日は 満月だったり。
雨が一粒 二粒腕に感じていたり、
その人は月がすきだったり、
月を見ながら ずっと何かを考えていたり。
そういったことを私は知ってたけれど、その人の返事は単純に、私の言葉を繰り返しただけだった。

言葉を反芻した後、私は満足して、
月と、月を見ている人を見ていた。
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?の形のフック。
2007/06/12 22:04
「目に入ると、しみるんだよ」

「けどさ、沁みるとか傷つかない程度の痛みってさ、気持ちいい時ない?
ゆっくり息を吐く気持ちよさって言うかな・・」
「呼吸関係でも気持ちよさを求めるのか、あんたわ」
「だってMだもん」
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静岡話。
2006/08/10 08:38
「一年くらい前まで静岡では水道からお茶出るって信じてた。」
「出る家あるやん」
「やっぱりあるの?」
「ないよ」
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ベッド話。
2006/07/30 22:10
「ベッドに寝てるとさ、ゆれるじゃん?」
「?」
「ほら、トン トン トンって鼓動でさ。」
「いや、気づいたことないけど・・。」
「俺さ、あれがいやでさー。いつも眠れないんだよね。」
「気にしすぎじゃない。普通はそんなこと気づきもしないよ。」
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ラット!!!!
2006/06/21 06:44
此処を越えられたら、あなたは特別。
此処を過ぎる事ができれば、きみは特別。
        。

残っていてくれて。

続きます。あなたは何時までも。
死にません。きみは永遠に。
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ラット!!!
2006/06/21 06:43
未だだったんだ。意外。

なら、あなたの為に何かしよう。
あなたを如何しよう。


御気に召します? 此の液体。
如何致しました? 其の球体。

特別!

御薬をあげましょう。3週間分。朝昼夜。
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ラット!!
2006/06/21 06:43
あなたの 行き着く先を 教えてあげる。

きみの いる場所を 教えてあげる。


きっと 不幸はないよ。
カテゴリ/ つくり話のハコ
ラット!
2006/06/21 06:42
後にして頂戴!
おまえの寿命なんて関係ないのさ!

跡をつけないで頂戴!
営みは休止しています。

痕を見つけて頂戴!
そして見つめて!

址を荒らさないで頂戴!
此処には何も埋めていませんので!

あぁ キミ ラット だ 。

所詮 ラット だ 。

でも 許そう 。

キミを愛しは しないけれども。
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S80.6.3
2006/06/03 02:11
恋は盲目と申します 続くものなど有もせず 只見付け得る希望を胸に反芻するのです
踊る病も終には召され 気付け薬と媚薬の狭間に酔い 天を見上げ涙に暮れる
去れど 時とし 君は其れすら幸福に思う
君につづくのは勝ち戦でしょう
帰路は茜に照らされておりますが 迷わず 其の人と息なさい
今 呼吸を忘れるほどに 
今度こそは 其の睫を濡らさぬように
カテゴリ/ つくり話のハコ
夢枕に立つ人を探す人。
2006/05/22 00:36
夢のなかで、問いかけられた。
だれかが言う、「綾?」
わたしは答え、「私は、あやじゃないですよ・・・」
また、そのまま眠りにつく。私は。

夢の中、あれは、優しい男性の声だったかな。
彼は、あや という人を捜し歩いてるようだった。
とても心配している様子で、私の夢枕にまで尋ねてきたのだろう。
彼にとて、あやさんとはどんな人物なんだろう。

彼の声。
どこかで聞いたことがある気がする。 思い出せないのだけれど。
知り合いでいたかな・・・。
なんとなく、一人の名前が浮かぶ。
ほとんど話もしたことのない人だけれど。声も正確に思い出せない人だけれど。
夢の彼は、彼かもしれない。
そう、信じさせるものがあった。

なぜ、そう思ったかも分からないのだけれど。


今夜にでも、彼と綾さんが出会えればいいと。そう思って。
道案内はして上げられないけれど。
今夜は そう眠る。
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熱い紅茶、飲めませんが。
2006/02/16 06:53
おちて ちて わかってゆく。なにがほしかったのか。
寂しかったんでもなく、ハイになるわけでもないのだから。
一緒に居るのに理由が分からない。

up

冷たい手がスキ。

落ちて ちて、分かって行く。何が欲しかったのか。
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本音の味、嫌いな味。/deep
2006/02/15 11:05
「いい?」なんて言わないでよ。
嫌なら爪を立てるし、今此の場所に居るはずないでしょ?
あなたはスグに不安がるから。あなたはスグにわたしに気を使うから。
あなたは、簡単に傷つきそうだから。
わたしは何時も傍に居るのに、あなたは何時も触れられないでいる。
わたしも不安なの。
も少し判って頂戴。

あなたが望むから、髪も切りました、煙草も止めました、指輪もはずしました、
気づいてないでしょう?

あなたがわたしを愛しているのはよくわかる。
わたしもあなたが大好きだし。
でももっとわたしを て て頂戴! スグに!
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禁じられた遊び。熱。
2006/02/08 00:35
恋は盲目と申します 続くものなど有もせず 只見付け得る希望を胸に反芻するのです
踊る病も終には召され 気付け薬と媚薬の狭間に酔い 天を見上げ涙に暮れる
去れど 時とし 君は其れすら幸福に思う
君につづくのは勝ち戦でしょう
帰路は茜に照らされておりますが 迷わず 其の人と息なさい
今 呼吸を忘れるほどに 
今度こそは 其の睫を濡らさぬように



禁じられた遊びをして織られましたね
禁断の果実を
後悔しない君ならば ハニイの味に酔っても カクテルの色に染まっても
熱の続く限り つまりは 永遠に
此の遊びには 君だけが勝者 君こそが敗者
他を偲びることも じっと見つめ直すことも とても難しい
いいのです
いけません
近づいたならば 其れがゴオル
もっと もっと もっと もっと もっと もっと もっと もっと
近づけぬならば 其れは病
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ものごと。ものごころ。まごころ。
2006/02/06 02:18
あくまで、わたしたちは物でしかありません。
その上で、心をもつモノかも知れませんが。
自分以外のお方のお心は皆目、見当もつかず、想像すら真間なりません。
先には 言葉は心 と申しました、私は。

お話しましょう。

真心を。

~~~~
言葉をもつ君。
君は物ではない。
いや、わからないけれど。
君の言葉を聴かないヒトは。
私にとて、なんとも理解の外のヒト。
君が物なら、真綿で、
物でなければ、真心で。
何がほしい?
わたしでよければ、あげるから。
血でも、心でも。

君が悲しむのはもったいない。

~~~~~
物と言う意味。
物質と同じような意味だと思います。
体とか。
ドーパミンでハイになれるこの頭とか。
やはり、私たちはあくまで物です。
だけれど、この世界。つまりネットの上での接触、言葉のやり取り。
この世界では体など、どこにありましょう?
アバターでしょうか?
さすがにそうは思えません。
物を欲するのはヒトの性質。

心をあげるから 体を頂戴。
体をあげるから 心を頂戴。
心をあげるから 心を頂戴。
体をあげるから こっち見ないで頂戴。
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