2006/05/10 01:20
お話をしよう。
物語。 ~~~~~ 世界には、たくさんの人が居る。其れはもう多くてね、全員の事なんて誰も把握できない。 屹度、神様だって分からないだろうね。 色んな人がいる。 大きな人 小さな人 男の人 女の人 初めて文字を作った人 初めてベーコンを作った人 卵を割るのが得意な人 上手く鉛筆を削る人 歌う人 聴く人 あの人 此の人 君 私 14人よりは、もう少し、もっと多い人がいるね。 ~~~~~~ 今日は、誰の話にしよう。 祝福と生まれた人の話。 チコのお話。 ~~~~~~ 角の祝福。 いずこの空と、いつかの海に。 証し。 ずっと昔から。女神の声が満ちていた、あの時代から。 チコには角が生えていました。 祝福に包まれた、それを。産まれてすぐに、チコは無くしてしまいました。 悪魔のように、真っ黒く。若葉のように、水を含んだ、手が。それを持ち去ったのです。 まだ、未々小さな角。 王様は、大人(その国では14歳)になったチコをお城に呼びました。 祝福を失いながら生きたチコに、選択を為せるために。 チコは神様に遣えることを決め、草と雲の仲を繋ぐ風に成りました。 そして、祝福のそれは石のような物に成りました。 やがていつかはあなたの子らにも。
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